流水忘備録

技術的な忘備録と雑念のアウトプット

映画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」の感想

前々から気になっていた映画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」を見てきたので感想を述べようと思う。

結論からいうと、見て損はないクオリティの映画だと自信を持って言える。

 

 

ストーリー

予告を見る限りだと、三谷幸喜映画のようなコメディメインだがストーリーがしっかりあるという映画なのだと思っていた。

実際は、もちろんコメディの部分もあるものの、コメディメインというよりは推理の要素やドキュメンタリーな内容もありという内容だった。

どんなストーリーだったのかはネタバレ防止の観点から言及を避けるが、あの予告からは想像もつかない内容であることは保証できる。

あと、伏線の回収状況がとても良好で、凝っているが練り上げが足りないストーリーの作品にありがちな、

「あそこの伏線回収できてなくないか?もしやあそこはそもそも伏線じゃなかったのか・・・?」といった気持ち悪さがまるで感じられなかった。

その点も評価ポイントだと思う。

 

キャスト

主演の東山紀之は、まあ普通。悪いわけじゃないし、見ていてイラつくところもなかったが、そう感じてしまうのはおそらくそれ以外の脇役が良かったためだろう。

脇役は実力派が多く、あの難しい局面でのそれぞれの配役に合った細かな描写を的確に表現できていた。見ていて不自然だなと感じる演技もなく、作品に没頭することができた。

ただ、東山のバーター起用?のジャニーズJrWESTの方の演技は、やはり格落ち感が否めないなと感じた。上記のキャストと比べるのは酷だろうが、頑張ってほしいなと思う。Jrなのにバーター起用されるということは、それほど期待されているということなのだろうから。

 

予算

この映画は恐らくまあまあ低予算で作られた作品なのだと思う。

なぜそう思うのかというと、ひとえに撮影場所が大きく4か所だけだったからだ。

また、アクション映画やSF映画にありがちなお金がかかりそうな演出もない。

唯一お金がかかっているとしたら、キャストだろうか。

しかしながらそのキャストも、バーター?を使うなどギリギリまで交渉して削ったのだろうという様相をひしひしと感じた。

また、このストーリーの肝であるスマホだが、配給元がSONYという事もあり、全員XPERIAだったのは笑った。あそこはさすがに不自然すぎるので、いくら予算がないとはいえせめてiPhoneやGaraxyの携帯電話の人が各1人はいた方がよかったんじゃないかと思った。

まとめ

「おとなの事情 スマホをのぞいたら」を3つの観点から分析した。

非常に凝った面白いストーリーを描き、尚且つキャスト陣が素晴らしい演技をしたことにより、低予算というハンディをはねのけ、すごく良い作品に仕上げられたのだろう。

 

どうやらこの映画は基となった大人気映画があるらしく、ストーリーの良さには納得してしまった。

過去に外国で作られた先例はあるのだろうが、それを踏まえても、引きのカメラによる長尺パートを人間味あふれる演技で演じきったキャスト陣の演技力はすごく良かったし、その演技力がこの映画の良さにつながったのだと思う。

 

もしまだこの映画を見ていなくて、この映画の原作を知らない人はできるだけ知らない状態で見に行くことをお勧めしたい。その方がこの映画は絶対に楽しめる。

 

以上